中学受験対策のための進学塾としてサピックスが有名です。レベルの高い授業を受けることができ、進学実績もかなり良いため、入塾を希望される方は多いのではないかと思います。しかし、サピックスに入るには入塾テストを受ける必要があります。サピックスの入塾テストを受けるに当たってポイントや対策のコツについてご紹介します。
1、はじめに
中学受験をしようと考えた際、まずはじめに「どの塾に行こうか」ということを検討される方が多いかと思います。
ご自宅での勉強だけでは対策がなかなか難しい中学受験ですが、塾に通ってプロの先生の指導を受けることで志望校合格に向けて適切な対策を取ることができます。
中学受験対策の進学塾として有名なのが「サピックス」です。
進学実績も良く、授業のレベルが高いことで評判です。
難関校合格のためにサピックスにお子様を通わせたい、という保護者の方も多くいらっしゃいます。
しかし、サピックスに入塾するためには「入塾テスト」を受けなければなりません。
詳しくは後ほどご紹介しますが、この入塾テストで一定のレベルに達していないとサピックスに入塾することができません。
他の大手進学塾のでもほとんどが入塾テストを設けているのですが、点数が思わしくなかったとしても塾に入ることはできます。
そのため、サピックスは珍しいケースといえるでしょう。
今回は、サピックスの入塾テストについて、その概要やコツについてご紹介していきます。
2、サピックスの入塾テストとは
冒頭でも軽くご説明しましたが、サピックスには他の進学塾と同様に入塾テストがあります。
このテストの結果によって、入塾後のクラスが決まります。
しかし、他の塾との大きな違いとして「結果が悪いと塾に入れない」というものがあります。入塾テストで一定の点数が取れないと、塾に入ることすらできないのです。
「これから受験勉強をしていくために塾に入るのだから、入る時点で勉強ができていなくてもいいじゃないか」という意見も確かに一理あります。
しかしサピックスの授業はレベルの高い内容を扱います。
定期的なテストによってクラス替えも頻繁に行われ、常に上を目指して努力し続けなければならないような環境が待っています。
そのような環境でモチベーションを維持して授業についていくためには、入塾の時点で一定の学力が必要になってきます。
もちろん、入塾の時点で完璧な学力がある必要は全くありませんが、授業についていくためには一定のレベルの学力がないと厳しいといえるでしょう。
そのため、入塾の時点で生徒に一定のレベルの学力を求める、というのがサピックスの方針です。
基礎の学力がまだ未熟な段階で入塾しても、授業についていくことができないため、本来伸ばせたはずの学力を伸ばすことができません。
例えば、まだ平面の図形があやふやなお子様に対して立体の図形を教えても思うような学習効果は得られません。
まずは平面の図形を完璧にしてからでないと、立体を習得することはできません。
後ほど詳しくご説明しますが、塾選びの際にはお子様のレベルにあった授業を受けられる塾に行くことが何より大切になります。
今の実力に見合ったところから学習を始め、そこからどんどん新しいもの、難易度の高いものを積み重ねていくことで安定して力を伸ばすことができます。
そのため、サピックスへの入塾を希望されている場合は、入塾までに一定のレベルの学力をつけるか、レベルにあった他の塾を検討してみてもいいかもしれません。
3、各学年の対策のコツ
ではここからは、サピックスへの入塾を希望されている方向けに、各学年の入塾テストの対策についてご紹介します。
<新4年生(現3年生)>
新4年生の場合は、国語と算数がそれぞれ40分ずつのテストが行われます。
2教科だけのためそれほどハードルが高くないと感じてしまうかもしれませんが、どちらの教科も学校の勉強だけではなかなか対応しきれないようなレベルの問題が出題されています。
国語の場合は、漢字の読み書きと長文読解が出題されます。
漢字の読み書きは国語の基本であり、入塾後のテストでも頻繁に出題されます。
そのため、日頃から大きく・丁寧に・綺麗に漢字を書くことを心がけるようにしましょう。
長文読解は、普段の学校の教科書で出てくるような文章よりも長いものが出題されます。
それを(漢字の問題を含め)40分間という短い時間で正確に読み取り答えを導き出さなければならないため、今までそのような問題を解いた経験のないお子様にとってはかなり難易度が高く感じられてしまうかもしれません。
長文読解の対策としては、市販のもので構いませんので何か一冊長文読解の参考書を買うと良いでしょう。
長い文章を手際よく読み進めることに慣れておくことで、入塾テストの際も落ち着いて問題に取り組むことができるでしょう。
文章を読む力は読書でも鍛えることができますが、読書の際に読む本とテストで出される文章は性質が全く違うため、テスト対策のためなら市販の参考書が良いでしょう。
算数のテストでは、計算問題・文章問題・パズル問題が出題されます。パズル問題は慣れていないと規則性を見つけるのが難しいため、問題集などで慣れておく必要があります。
しかしテストのほとんどは計算問題・文章問題です。
そのため、速く正確に計算する力と、文章問題で聞かれていることを正確に読み取る読解力を重点的に鍛えましょう。
計算ができていても、文章問題で聞かれていることをきちんと把握できないと正確な答えを得ることはできません。
日頃から「何を聞かれているのか」ということを常に意識しながら問題を解くようにしましょう。
<新5年生(現4年生)以上>
新5年生以上のテストは、国語と算数以外に理科と社会が加わります。
科目が増えたことでハードルが上がりましたが、さらにテストで求められるレベルも高くなってきます。
その理由が、「他の塾などで勉強していた転塾の生徒や、以前のテストで落ちてしまったため勉強をしてリベンジしてきた生徒たちと競争することになる」からです。
新4年生のテストでは、それまで本格的に塾に通っていないお子様も多いため受験者のレベルにそれほど大きな差は開きにくいのですが、新五年生以上のテストの場合は別の進学塾で勉強していたお子様なども集まってきます。
周りのレベルが上がるため、その中でいい点数を取らなければならなくなるのです。
しかしテストで問われるのはやはり「基礎力」です。市販の問題集などを購入して、基礎レベルの問題には対処できるようにしておきましょう。
また、新5年生以上の場合はすでに入塾している生徒たちと一緒に勉強することになるので、ホームページなどでカリキュラムを確認してすでに入塾している生徒が学んでいる範囲は理解しておくといいかもしれません。
4、塾選びのポイント
では最後に、塾選びのポイントについて簡単にお伝えしたいと思います。
志望校合格のために、できるだけレベルの高い授業を受けさせて学力をどんどん伸ばしたいとお考えの方も多いかもしれません。
しかし、塾選びの際に一番大切なのは「今のレベルにあった授業が受けられるのか」ということです。
今のレベルよりもはるか上のレベルの内容を学習しても、身につけることはできません。
今の実力から一つずつ力を積み重ねていけるよう、お子様のレベルを見極めて塾を選んであげるようにしましょう。
サピックスのようにどんどんレベルの高い内容を学習していく塾もあれば、基礎から重点的に学習できる塾もあります。
体験授業などに参加して実際の授業の様子を体感してみるのがいいかもしれません。