幼児教育・早期教育の世界では評判のある「七田式教育」。
有名なフィギュアスケート選手が通いその効果を実感していることもあり、注目されています。
フラッシュカードなどの独特の教育方針やレッスン方法で有名ですが、具体的にどのような内容なのかご存知の方は少ないのではないでしょうか？
今回は、七田式教育を試してみた経験をもとに、そのメリットやデメリットをご紹介していきます。
1.七田式とは？おさえておきたいポイント
1.右脳を育てて才能を引き出す
七田式教育は、論理的思考能力を育てる、知識を詰め込んだりする、いうことは掲げていません。
むしろ想像力や直感力というものを重視しており、右脳を開発して子供の秘められた才能を引き出すということを謳っています。
「才能を引き出す」ですから、「勉強ができるようになる」とか「頭が良くなる」ことだけを追求しているわけではありません。
七田式出身で有名な、子役の本田望結ちゃんや水泳の池江璃花子選手のように、その子供が持っている潜在的な可能性を引き出すということを目指しています。
2.親子の関係を大切に
七田式といえば何と言っても右「脳」を育てる教育ですが、頭だけでなく心を育てることも大事にしているようです。
七田式には「認めてほめて愛して育てる」というスローガンがあり、ただレッスンを受けさせたり勉強させたりするのではなく、しっかりご両親や周りの方から愛情を注いであげることを大切にしています。
3.独特の教育方法
七田式のレッスンや教材はとても独特なものです。
皆さんは「フラッシュカード」というものを聞いたことはありますでしょうか？
絵やひらがなが書かれた大量のカードを、ものすごいスピードでどんどんめくってお子様に見せていくというものです。
私も初めてフラッシュカードを見たときは、そのあまりのスピードにびっくりしました。
吸収力が高い幼児期のお子様に、たくさんの言葉や絵を見せることで、新しい言葉を覚えたり、豊かな表現力を身に着けたりできるとのことです。
他にも、七田式百玉そろばんやダ・ヴィンチ・マップなど、独特の教材を作っています。
暗記や暗唱といったレッスンもあります。
4.実績
七田式教育で評価されているのは、実績です。
先程も触れましたが、本田望結ちゃんや池江璃花子選手は七田チャイルドアカデミー（2018年4月からは、EQWEL（イクウェル）チャイルドアカデミーという名前になっています）の出身です。
「10歳にして、スキーでオリンピック金メダリストの育成を志す団体に強化選手として公認された」という話や、「9歳までの7年間で6,300冊の本を読んだ」という例もあります。
実際に私が会ったことのある七田式で学んでいるお子様も、 2歳でも2桁の計算をすらすら解いたり、まだ5歳なのに難しい文章を暗唱していたり、驚くようなお子様がいます。
2.レッスンの様子
なかなかイメージが湧かないと思いますので、教室では実際にどんなレッスンが行われているのかをご紹介します。
3歳コースだと、こんなレッスンが行われていました。
1.先生とお友達にご挨拶
2.レッスンに入る前に
・お母さん・お父さんが子どもを抱きしめながら、言葉で愛情を伝えてあげる。
・瞑想タイムは腹式呼吸で心を落ち着け、トライアングルの音に集中。
・先生に名前を呼ばれたら返事をする。先生から質問をされるので、子どもが自分で答える。
（この1週間のできごとや、やったことなど）
3.フラッシュカード
カードに描かれた色々な絵（動物、植物、表情など）の意味を先生が読み上げながら、ものすごいスピードでめくっていきます。
大量の情報をインプットすることで、脳を刺激していきます。
4.ドッツカード
フラッシュカードの他にドッツカードを用います。
カードの表には複数の点が、裏には数字が書かれています。
これもやはり先生が読み上げながら高速で見せていきます。
これによって、子どもに数の概念をインプットしていくようです。
5.記憶力ゲーム
絵の描かれたカードを5枚程度並べて、子どもに数秒間見せます。
その後、子どもにその通りに並べさせます。
6.ブロックゲーム
今度はカードにブロックが積まれた絵が描いてあります。
紙に描いてある絵と同じようにブロックを組み立てます。
7.神経衰弱ゲーム
トランプではなく、1～5までの数字が書かれたカードで神経衰弱をします。
8.計算
簡単な足し算と引き算の練習をします。
4～6歳になると、これに加えて百玉そろばんや暗唱が登場します。
百玉そろばんを使うと、大きな数も右脳的に捉えられるようになるようです。
名文や美しい詩を暗証することで、記憶力を育てると同時に、豊かな表現力を身に着けます。
3.実際に通ってみた結果は？
Aさんの場合
Aさんは、4歳から1年弱七田式の教室に通いました。
その結果、まだ小学校にも入っていないにもかかわらず、ひらがなはほぼすべて読めるように。
文章も、簡単なものなら書くことができるようになりました。
教室で覚えた文章も、すらすら暗唱していますし、やはり語彙力が周りのお子様とは違います。
周りのお子様に比べて、集中力や落ち着きも出てきたように感じます。
Bくんの場合
Bくんも4歳から1年程度七田式に通っています。
Bくんは、七田式に通っていない周りの子に比べると、少し言葉が大人びているかなという印象を受けます。
ただ、Aさんほど劇的な変化は出ていないようです。
お母様は、もう少し通わせて様子を見ようとおっしゃっていました。
4.七田式のメリット
1.コミュニケーション能力が高くなる
七田式の教育を受けると、やはり語彙力や表現力が身につくように感じます。
フラッシュカードや暗唱で語彙・文章を身に着けたり、同じぐらいの年のお子様や親戚ではない大人としての先生と触れたりすることで、効果が出るようです。
2.意識の高いママ友ができる
お子様への直接的な効果ではありませんが、これも意味のあることだと思います。
七田式は料金が高いこともあり、教育意識の高い親御さんが集まっています。
そういった親御さんと仲良くなって情報交換ができることは有益ですね。
5.七田式のデメリット
1.科学的に効果が証明されているわけではない
独特の教育方法で華々しい実績を出している七田式ですが、その教育方法は科学的に証明されているわけではありません。
ですから、先程紹介したBくんのように、絶対に効果が出るとは限りません。
ここで詳細はお伝えしませんが、長期的に見ると、逆に弊害があるということも言われています。
この点に関しては、よく考える必要がありますね。
2.料金が高い
七田式では、月々の受講料に加えて入会金と必須教材の教材費が必要になります。
入会金
入会金は、一律税込み21600円です。
教材費
- 月間CD
- レッスンプリント
- 年齢に合わせた必須教材
が含まれます。
学齢によって料金が異なり、幼稚園に通っているお子様だと、以下のようになります。
- 年少：8424円
- 年中：11988円
- 年長：5616円
また、教室に通うのは難しいというご家庭用に七田式プリントというものもあります。
こちらは13885円です。やっぱり他の幼児教育に比べると高い印象を受けますね。
どうしても料金が気になるという場合は、他の幼児教室や通信教育を考えてみても良いでしょう。
6.七田チャイルドアカデミーが無くなった？
七田式の教室と言えば、「七田チャイルドアカデミー」が有名でしたが、2018年の4月から「EQWEL（イクウェル）チャイルドアカデミー」という名前に変わっていました。
実は「七田式教室」と「チャイルドアカデミー」はもともと運営母体が違ったのですが、チャイルドアカデミーの方が、「七田」から「EQWEL」に名前を変えたようです。
内容としては変わらず七田式の教育をしているようなのですが、なぜ名前を変えたのかは、よく分かりませんね。
7.まとめ
今回は、七田式教育についてご紹介してきました。
独特の教育方法で、すごい実績を出している七田式。
一方で、あまり効果が感じられなかったり、料金が高かったりというデメリットもあります。
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