
かの有名な七田式。
七田式で学んだお子さんはその後も活躍しているとのこと。
しかし一方で、弊害があったという声も。
正しい教材選びのためにも、各教材のデメリットは把握しなければなりません。
どんな効果が得られるのか、良いうわさも悪いうわさもまとめてみました。
1.七田式とは?
0歳から小学生まで幅広い年齢層のお子さんを対象にした教育カリキュラムです。
創業者の七田眞さんの名前から七田式と名付けられました。
幅広い年齢層を対象とする中でも特に未就学のお子さん向けの幼児教育方法として人気があります。
学力の向上を目指すにとどまらずお子さんの才能を開花させることを目標としています。
人気のある幼児コースのお教室では一回あたり50分のレッスンを親御さんと一緒に受講することになります。
今回、お教室に通ったお子さんがその後どうなるのかについてまとめます。
2.七田式の2つの教育方針
親御さんも子供に付き添い、指導を受ける
他の塾やお教室に通うほとんどの場合、お子さんがひとりでレッスンを受けます。
親御さんは送り迎えのみをしてあげるか、付き添っても教室の外でお子さんを見守ることが多いです。
一方七田式の場合はカリキュラム中ずっと親御さんがお子さんに付き添うという特徴があります。
その中で、親御さんもお子さんへの接し方について学んでいくことになります。
なぜこのような形式をとっているのでしょうか。
七田式は「全人格教育」を理念として掲げているからです。
学力向上のみならず、心をはぐくむことや、身体を健やかに育むことを目標として掲げています。
そこで、お教室で先生が教えることだけでなく、お家で親御さんがどのようにお子さんに接するかが大切になってくるのです。
右脳を育てる教育
人間の脳は左脳と右脳に分けられます。
左脳は論理脳・デジタル脳などと呼ばれます。
読むこと、書くこと、話すこと、文字の認識、数理的推理、論理的思考などを担当しています。
その一方で右脳はよくイメージ脳、感覚脳、芸術脳などと呼ばれます。
イメージの記憶、直観、ひらめきなどを司っており、全体的な情報処理を受け持っています。
学習塾などでは左脳には焦点が当たることが多い一方で、七田式では左脳だけでなく右脳にも焦点を当て、直観やひらめきなどをはぐくむ点に特徴があります。
3.七田式に特徴的なカリキュラム
七田式のお教室では、他の塾や幼児教室ではあまり見受けられないようなユニークな教育方法を取り入れています。
フラッシュカード
フラッシュカードとは、絵や文字や数字などが描かれた沢山のカードを短時間のうちの早いスピードで見せることで右脳を刺激し、感覚的に覚えさせようとする教材です。
1枚1秒程度でどんどんめくってしまうため左脳はついていけず、視覚的に情報が脳に送り込まれます。
七田式では、「右脳の活性化」、「語彙力・理解力・表現力」、「見たものをぱっと一瞬で記憶する」、「左右の脳をつなぐ連結回路を育てる」ということを目的として取り入れられているようです。
ドッツカード
白地に赤丸が描かれたカードです。
これを短時間のうちに早いスピードで子供たちに見せてあげます。
すると、感覚的に数の概念を理解することに繋がるそうです。
足し算や引き算、かけ算、わり算はもちろんのこと、幾何や代数など複雑な数学などの素地を育てることを目的としています。
4.七田式のその後
良いうわさ
七田式は単なる学力の向上ではなく、その子の才能を開花させることを目指してカリキュラムが組まれています。
理念の通り、卒業生の中には自分の道で才能を開花させている子は多くいるようです。
例えばフィギュアスケートで有名な本田姉妹もその卒業生です。
本田真凛さん、望結さん、紗来さんの三人は小学校入学前に七田式に通っていました。
周囲からは三人とも非常に創造性豊かだと評判です。
また、真凛さんはフィギュアスケートのふりを一度で皆覚えてしまうほどだそうです。
また、東大生の中には七田式をやっていた方が多いといううわさもあります。
実際、テレビ番組「さんまの東大方程式」でも七田式が紹介されています。
悪いうわさ
一方で、特に効果は感じられないといううわさもあります。
さらに言えば、七田式を受講したお子さんの中には七田式が合わずに発育に支障をきたしてしまう子もいるようです。
子どもが七田式を続けていました。
極度の怖がりです。
病的とまでは言いませんが、普通ではないです。(30歳女性)
小学校入学前に七田式に通っていたのですが、奇声を発したり、ずっと集中して机に向かえないようになってしまいました。(40代女性)
などの声が見受けられました。
他にも
- 生気が見られず、元気がなくなった
- 子どもの自主性が育たない
- 子どもの思考力が育たない
などの声があるようです。
5.七田式の弊害はなぜ起きるのか
才能が伸びる子がいる一方で、発育に支障をきたしてしまうのはなぜでしょうか。
考えうる原因をご紹介します。
ほかのやるべきこと・やりたいことが抑圧されてしまう
七田式に限らず他の早期教育全般にもあてはまることです。
幼児教育を実施するとなると、必然的に遊びなど他のことに使える時間が少なくなります。
そこで遊ぶ時間や親子間でのコミュニケーションをとる時間が減ると、遊びによる情緒的な発達が阻害される、親御さんからの愛情を子どもが十分感じられない、などの事態につながります。
また、子供に他にやりたいことがある場合、本当にやりたいことができずストレスを感じてしまうでしょう。
例えば運動や芸術を好む子・得意な子に算数を無理やりやらせると、自分のやりたいことができないストレスや、得意な分野で才能を発揮できないつらさを感じてしまうことになります。
時間的制約により育むべきものがはぐくめない、ストレスやつらさを感じてしまうということが、奇声や元気のなさの原因です。
じっくりと考えたい子には合わない
七田式では、1回50分という限られた時間の中に右脳を鍛えるカリキュラムと左脳を鍛えるカリキュラムを詰め込んでいます。
必然的に一つ一つのカリキュラムにさかれる時間は少なくなります。
特に右脳を鍛えるセッションではとくに、じっくりと考えて答えを出すよりもひらめきで瞬時に答えを出すことが求められる内容になっています。
じっくり考えたい子は急かされるようなプレッシャーを感じてしまいますし、自分の力で考え抜いたという達成感も感じにくいという事態が起こってしまいます。
自ら思考する姿勢が奪われてしまうのも、こなすべきカリキュラムの多さや、瞬時に答えを求められるという点などに起因しています。
フラッシュカードやドッツカードの悪影響
因果関係の有無まではまだ明らかになっていませんが、フラッシュカードやドッツカードは子供の脳の発育に悪影響があるという仮説の元進んでいる研究もアメリカにはあります。
またこれもあくまで仮説段階ではありますが、フラッシュカードやドッツカードを大量に見させられるうちに子供の思考力や自主性を奪ってしまうのではないかともいわれています。
7.まとめ
七田式は単なる学力の向上にとどまらず、その子の持つ可能性を開花させてあげることを目指す教材です。
卒業生の中には実際に様々な分野で活躍している子もいるようです。
一方で、特に効果は感じられなかったという声もきこえてきます。
また、奇声を発するこになった、元気がなくなった、思考力や自主性が失われたという声も聞こえてきます。
お子さんに合う教育方法かどうかを考えたうえで取り入れましょう。