
デキタスや、スマイルゼミ。時々目にする名前ですが、ご存知の方はいらっしゃいますか?
これらは自宅学習用のタブレット教材で、主に小中学生を対象としています。
今回はこの二つの教材を比較してみました。
1.デキタスとスマイルゼミの成り立ち
デキタス
デキタスは、城南進学研究社が2016年にスタートさせた通信教材です。
まだできて間もないサービスですが、城南進学研究社は80年代より予備校を開講しており、2007年には映像授業校舎、河合塾マナビスの展開を開始しています。
現在では幼児向けの教室や認可保育施設なども多数経営しており、教育にかかわる歴史は長い会社です。
長く教育にかかわってきた会社が、幼児期や大学以降の勉強とのバランスを考えたうえで運営していると考えられます。
スマイルゼミ
スマイルゼミは、株式会社ジャストシステムズが、2012年に小学生向けに開発した通信教材です。
2013年には中学生向け「SMILE ZEMI」、2018年には幼児向けコースが加わりました。
ジャストシステムズは、パソコンで入力した文字を漢字に変換する操作を“スペースキー”に割り当てた「ATOK」を開発した会社であり、ワープロソフト「一太郎」なども運営していることから、ソフトウェア開発に秀でた会社だといえるでしょう。
2.対象とする学年
デキタス
・小学校1年生~中学3年生
スマイルゼミ
・幼児コース(年中・年長)
・小学コース(新一年生・1年~6年)
・中学コース(1~3年)
デキタスはスマイルゼミとは異なり、幼児コースは設けていません。
早いうちからタブレット教育に触れさせたい場合は、スマイルゼミの方がよさそうですね。
3.デキタスの特徴
専用機器が不要
デキタスは専用機器が不要で、ご自宅のPCやタブレット・スマートフォンなどで受講することができます。
Wi-Fiの利用が推進されています。画面サイズが小さくなってしまうので、スマホよりもタブレットやPCで取り組むのがおすすめです。
~対象ソフトウェア~
・PC
Windows 7 以上
Internet Explorer 11 以上
Google Chrome 最新版
・タブレット・スマートフォン
iOS 10 以上 / Safari 最新版
Android OS 4.4 以上 / Google Chrome 最新版
教科書準拠
デキタスは基本的に教科書準拠になっています。しかし、例外もあり、小中学校の国語、小学校の英語はオリジナル教材となっています。
デキタスの問題は、年、多くの受験生を難関大合格へと導く「城南予備校」や「城南医志塾」、成績保証の個別指導塾「城南コベッツ」などで構成される城南進研グループの講師陣が監修をしているので、ポイントを押さえた授業と選りすぐりの良問で、しっかりと学習内容を身につけていくことができます。
問題の質を保証できるのは、長年教育においてキャリアを積んできた会社ならではです。
一回の時間は手頃
デキタスでは、まず1本2~5分の授業動画を見ます。その後、授業の確認を○×問題でしたあと、演習に入っていきます。
一つ一つのステップにかかる時間が短いので、学習習慣が身につきやすく、長く集中することが難しい子でも取り組みやすいといえます。
問題は易しめ
デキタスの演習問題には、基本問題だけでなく、チャレンジ問題もあります。
しかし、どんなに考えても一人では解くことが難しいというような問題はほとんど出ません。
基本的に解説ありきで授業がスタートするので、難易度は低いといえます。勉強が苦手な子にも優しい設計です。
一部対象外の学年の問題も解ける
さきどり・さかのぼり学習を利用することで、申し込んだ学年以外の範囲も利用することが可能です。(※学習中の分野に関連する分野がある場合のみ表示されます。)
関連する分野の、より基本的な内容や発展的な内容もカバーされているのはとても嬉しいですよね。
学年が区切られていても、学習の際に妨げになることは少ないと考えられます。
4.スマイルゼミの特徴
専用のタブレット
スマイルゼミのタブレットは、学習専用のタブレットです。勉強のつもりでタブレットを開いたのに動画ばかりを見てしまったり、お子様にはあまり見せたくないサイトが開いてしまうことがありません。安心して勉強を進められます。
ソフトウェア開発の会社なので、専用のタブレットの開発にはとても力が入っています。
ノートと同じサイズの大画面や、専用デジタイザーペンにこだわっており、デジタイザーペンは鉛筆のような書き味で、式も漢字も、スムーズにしっかり書いて学べます。
手をついて書けるので、自然な姿勢で学習に取り組めます。
子どもが毎日使うことを考慮して、耐久テストも行い、一般のタブレットよりも頑丈なタブレットになっています。
教科書準拠
スマイルゼミも教科書に対応しており、学校の勉強の予習・復習に最適です。
デキタスと違う部分は、小学校の英語も教科書対応しており、2020年 から改定実施される新学習指導要領に沿った学びに対応していることです。
改定は2020年からですが、2018年からその内容に移行しているということです。
漢検合格率95%超え!
タブレット学習でありながら、実際にきちんと「書ける」そして「判定してくれる」教材のため、漢検の合格率がとても高いです。
タブレットによるイメージを多用した直感理解だけでなく、紙の教材やノートのように、何度も繰り返し書くことも重視しており、そのために書きやすく、さらに書いたものを正しく指導してくれるサービスとなっています。
英語・プログラミングに力を入れている
こちらはオプションになりますが、英語やプログラミングの講座が充実しています。
英語のオプション講座では、標準配信の英語と比べ、2倍以上の学習量があり、英検®対策もおこなえます。英検5級~2級までと範囲はかなり広いです。
また、紙教材では読み書きが中心になり、CDがついていてもついつい聞くのを怠ってしまいがちです。
しかし、タブレット学習の場合、英語のネイティブの発音を聞く機会が豊富にあり、教材と一体になっているため、リスニング・スピーキングの力が付くというメリットもあります。
5.値段
デキタス
デキタスでは入会金が0円で、そしてその後の月々の受講料も明快です。
・小学1・2年生
3,000円(対象科目:国語、算数、英語、生活)
・小学3~6年生
3,000円(対象科目:国語、算数、英語、理科、社会)
・中学生
4,000円(対象科目:国語、数学、英語、理科、地理、歴史、公民、国文法)
となっており、小学生の場合、月3000円で全教科セットとなっています。
中学生になると4000円になりますが、教科数も増えるのでむしろお得になるのではないでしょうか。
スマイルゼミ
スマイルゼミの場合、専用タブレット代がまず9980円かかります。
月々の受講料も学年ごとに変わる上に、英語のオプションなどによって変わってくるので一概には言えませんが、デキタスよりも高めではあります。
1年生が月額3600円~、3年生は4400円~、5年生は5400円~となっています。
専用タブレット代を月で割るので、プラス800円ずつで考えるといいでしょう。
詳しくは、専用サイトでシミュレーションしてみることができます。
https://smile-zemi.jp/shogaku/apply/price.html
6.まとめ
いかがだったでしょうか。
デキタスとスマイルゼミ、どちらもタブレット学習の通信教材ですが、それぞれ違いが見えてきました。
タブレット学習サービスの歴史はスマイルゼミの方が長いですが、新しいサービスのデキタスの方がむしろ、長年教育に携わっている会社がデジタル学習に参入したという背景があり、問題の内容は充実している印象があります。
スマイルゼミは、操作性に優れており、「ゲーム感覚で楽しく勉強できる」というタブレット学習のメリットを最大化したサービスという印象です。
ある程度集中力のある子供なら、問題の質がよく、料金も明快なデキタスがおすすめですし、あまり学習習慣が身についていなかったり、英語の学習に力を入れたいという場合は、スマイルゼミがおすすめです。
子どものタイプを見極めながら、お子様本人と相談してみてはいかがでしょうか。