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幼児への英会話教育って必要?最近の動向をまとめてみた

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2000年台に入ったころから、よく耳にするようになった幼児への英会話教育。
話題に登ることも多い一方、爆発的に普及をしたという印象もありません。
「現在の英会話教育はどのようになっているの?」、「そもそも幼児期の英会話教育は子どもの教育や成長に必要なの?」気になる点をまとめてみました。

1.英会話教育にはどんな種類がある?


英会話教育には大きくわけて2種類あります。
教材を使って取り組むものと、英会話スクールに通うものです。
それぞれ、インプット型・アウトプット型と特徴が大きく異なるので、併用するケースもあります。

1.幼児用英会話教材

ディズニー英語システム

発売から35年以上経ち、子供用英語教材の代表的存在となっている教材。
ディズニーキャラクターのDVDや、おもちゃ、CD、絵本、カードを通して、楽しく取り組めます。

ワールドワイドキッズ(ベネッセ)

ディズニーよりも難易度が低いため、入門編として使える印象です。

パルキッズ(七田式)

大量の英単語をインプットする学習教材です。
七田式の有名なフラッシュカードと近しいです。

2.幼児用英会話スクール

東進子ども英語教室

セサミストリートの映像を使用しており、クラブアクティビティなどのイベントもありますよ。
ひとりでもくもくとやるよりも、触れ合いながらできるのがおすすめです。

ヤマハ英語教室

リズムに合わせて英語を覚えることができます。
英語はネイティヴの音を聞きながら、耳で覚えるのがいいといいますよね。

ECCジュニア

ベネッセ be studio

日本人講師のスタンダードプログラムと、外国人講師のインターナショナルプログラムから選ぶことができます。

2.日本人の英語力は?


https://resemom.jp/article/2018/07/23/45811.html

IIBCが発表した、2017年の世界におけるTOEIC L&R受験者スコアと受験者が回答したアンケート結果は、TOEIC Programを開発しているEducational Testing Service(ETS)がまとめたものです。
日本は517点で39位となっています。
日本は明治維新の近代化により英語教育が始まり、特に第二次大戦後、本格化しています。
1960年代において、覚える英単語は6700~6800でしたが、ゆとり教育時になると2200になり、その後は2600となっています。
日本の英語レベルは特別高いものではない、むしろ低いといえます。

3.日本で英語力が伸びない理由


2020年には小学校3年生から英語が必修化することもあり、今英語に力を入れている印象はあります。
しかし現時点でも中高大では英語科目は必修ですが、真面目に勉強してきたにも関わらず大人になって英語が喋れる人は多くありません。
それはなぜでしょうか。

1.日本語人口の多さ


日本語は主に日本だけ、世界で見れば小さな地域でしか話されていない言語ですが、話者が日本人口と同じくおよそ1.3億人弱います。
この規模であると映画や音楽といった娯楽産業も日本市場である程度の利益を出すことが出来るため、邦画や邦楽も盛んです。
つまり、日本語だけで生活していくのにあまり不便を感じないということです。

これが北欧などの話者の少ない国であると、学校のレポートの参考資料を探すのにも英語の本を求める必要があります。
自国の言語だけの娯楽も少なく、娯楽を求めれば自動的に英語に触れることになるのです。
しかし、日本は翻訳も豊富で、大抵の有名な本は(出来の良し悪しはあれ)日本語に翻訳されています。
勉強の際にも日本語だけで勉強することができます。

2.日本と欧米の文化の違い


2つ目の理由に、日本と欧米ではコミュニケーションの土壌があまりにも違うということです。
日本では謙遜や我慢が美徳とされますが、アメリカでは成果は主張しないと権利を得られないと考えますし、不満があったら伝えるべきという考えが主流です。
思っていることを言わずに自分を抑える人は気味が悪いと捉えられることもあります。

英語を頑張って学んで、留学し、海外の文化やコミュニケーションを身に着けても、帰国後に日本企業に勤める場合にはせっかく身につけた能力が生かせず、それどころか嫌厭される場合もあるのが現状です。

英語教育が叫ばれて久しいですが、グローバルスタンダードな考え方を受け入れる土壌が日本にはまだ整っていないので、自分が活躍する場が少ないことに加え、英語がネイティブな外国人は少なく、日常生活で英語を喋る機会は増えません
したがって、身につけた英語力が伸びなかったり使えなくなったりすることも多いです。

4.今後グローバル化は進むのか?翻訳機を使えば済む?

インターネットによる通信手段の発達により、今後グローバル化はますます進み、人やモノやお金の移動が活発化していくと考えられています。

少し前までは、グローバル化により世界が均質になり、単一化(フラット化)していくという考え方が主流でした。
しかし現在、世界では単一化よりも、むしろ多様化が進んでいると考えられています。

国籍や民族の異なる人々、異なる文化を持つ人々が、互いの文化的違いや価値を受け入れ、尊重し、新たな関係性を創造することを目指す「多文化共生」の考え方が、重要な意味を持つようになりました。

「多文化共生」実現のために、コミュニケーションは最も重要な手段の一つです。
言語習得の必要性は今後高まっていくと予測されます。

ではグローバル化に翻訳機の発達が追いつくことはあるのでしょうか?
すべての会話が機械で翻訳されるなら、何年後かの未来では人間が何千時間も費やして言語習得をしなくてもよくなるかもしれません。

現時点でも定形的の文章は、翻訳機で対応可能です。

今まで親しんできたgoogle翻訳、ツイッター翻訳などの文章翻訳だけでなく、MicrosoftがSkype翻訳サービスを出しているなど、音声翻訳の技術も向上しているため、10年経てばかなりの精度になる可能性が高いとされています。

また10年後には新聞記事なら直訳レベル、TwitterなどSNSの会話なら要約レベルで、ストレスなく外国語のテキストを読めることになるそうです。
外国語のニュースを読む、海外旅行先で買い物をするといった場面では、外国語のハードルは今よりはるかに下がっていくことが期待できます。

しかし、文化的背景を含むようなものは、自動翻訳では難しいものがあり、日本の「侘び寂び」を説明したり、海外ドラマのジョークを理解したりするためには、まだまだ英語の習得は必要といえます。

5.本当にこれからの時代は英語より中国語?

英語が必修になるという話題につきものなのが、これからは英語より中国語の時代だという意見。
これについて見ていきます。

母語話者・第二言語話者のランキング

1 中国語 10億5100万人
(母語話者:8億9900万人 第二言語話者:1億7800人)

2 英語 8億4000万人
(母語話者:3億3000万人 第二言語話者:5億1000万人)

3 スペイン語 5億7000万人
(母語話者:5億人 第二言語話者:7000万人)

このランキングでは、英語の話者を中国語の話者が上回っています。

中国の人口は13億人、今後も増え続けていくことが予想されており、一位をキープし続けることになると思います。
また中国は社会主義時代による遅れを取り戻すべく、貪欲な向上心・そして愛国心を持ちます。
今後も中国資本が伸びてゆくことを考えれば、中国語を学ぶことはビジネスに役立つ可能性が高いといえるでしょう。

一方、英語は母語話者が少ないものの、第二言語話者がとても多くなっています
これは世界のさまざまな地域の人が英語を話すことを示しており、異なる文化を持つ人とコミュニケーションを取りたいと考えた時、英語は最も有効な言語であると言えます。

6.まとめ

いかがだったでしょうか?

幼児教育の代表的な教材や、英語教育の必要性についてまとめてみました。

英語は身につけておいて決して損にならないものです。
お子様の未来で心強い味方になってくれるかもしれません。
現在は幼児教育の教材も、幼児向け英会話スクールもたくさんあり、お子様にあった教材を選ぶことができます。

しかし、幼児期から取り組むことは、親の押しつけになりがちです。
早い段階で意に沿わないことをさせられた結果、英語自体が嫌いになってしまうことも考えられます。

英語教育が必要かどうかはひとそれぞれです。
海外で仕事ができるような能力を身に着けさせたいと思う場合は、中国語のほうが可能性が広がるかもしれませんし、将来多言語の人とつながってほしいと願うならば、やはり英語が必要かもしれません。

日本語と同様に英語で物を考えられるようになりたい場合は幼児期の英語教育は有効ですし、自分の考えを相手に伝えるようになることが目的の場合、まず日本語での思考力を育ててから英語を学んだほうがいいかもしれません。

ぜひじっくり考えてみるきっかけにしてみてください。

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